【感想】白いしるし 西加奈子

書評

こんにちは,ゆうです。

今日は最近読んだ本の感想を備忘録として書いておきます。

白いしるし (新潮文庫) [ 西加奈子 ]価格:506円
(2019/11/13 22:56時点)
感想(9件)

超全身恋愛小説

この本の裏表紙には「超全身恋愛小説」と描かれている。
私自身は2年前に結婚し,夫とは6年前に出会っている。
したがって,「超全身恋愛」をしたのは少なからず前のこととなってしまう。

しかし,生きていられないと感じるぐらいの恋愛
そんな感傷に浸りたくてチョイスした作品でした。

あらすじとか思ったこととか。。

「夏目」と「まじま」と「瀬田」が主な登場人物で,
主人公夏目が女の子,といっても32歳独身。
まじまは夏目と出会った瞬間からお互いの作品,存在に惹かれ合う存在。
瀬田は夏目とお互い一緒にいて心地いい友人として描かれている。
そして,この3人の共通点は絵画。芸術家である。

夜が落ちてきたみたいだった

「白いしるし」西加奈子

主人公「夏目」と「まじま」の最初の待ち合わせで,
「夏目」が「まじま」に対す感想。
個人的に素敵な表現だと思った。

当初,夏目とまじまの恋愛模様が描かれる。

上手く話せない,相手にうまく伝えられない
そんなもどかしさは芸術家でなくとも誰もが感じたことがあると思う。

芸術家は上手く話せない感じを絵や音楽で表現するのではない
夏目は絵を描きたいという純粋な気持ちで描いているのであって,
絵はただ絵であって,誰かに何かを伝えるものではない。

でも,誰かの絵を見て,その作品を,そして作品を描いた人を
好きになることはある。

しかし描き手は好きになって欲しいと思って描くものではない。

本作品では,描くことと恋すること
そんな絵画作品と狂気的なほどの本気の恋愛が描かれている。

夏目はまじまの作品に,圧倒的に惹かれていく。
しかし,2人の恋愛には終わりがきて,
夏目は家から出られないほどのショックを受ける。

そこに,瀬田からの連絡があり,
夏目は久しぶりに家を出るきっかけを得る。

しかし,その先で見た瀬田に対する狂気的な恋愛
瀬田に恋する女性は,
素直な潔白な芸術に対する気持ちと人のエゴを押し付ける恋愛に悩む。


「夏目」は,芸術もエゴだ
描きたいから描くのだ
それは嫉妬に狂って描くこともある,
失恋でどん底になって描くこともある

誰かに見られることで「作品」なのではない
描かれた時点で「作品」であって,
誰かに見られることで「成功」になるという表現をする

その後,夏目は瀬田の異常な生活を送っているきっかけとなる恋愛をしていたことを知る。

そして,自分とまじまの恋愛のあり方に再度向き合って行く。

感想とか。

結果からいうと,個人的には微妙。。笑
というのも,超全身恋愛というほど,伝わってこなかった。
ご飯が食べられない家から出られない的な描写もあるのだが,
正直,私自身が失恋というものから遠ざかりすぎていて
なかなか感情移入できなかった。

恋愛要素的には雪の華とかの方が泣けた!
私の好みが純愛なのかなww


でも,共感できるところもあって,特に瀬田に恋する女性(塚本)の,
どうしようもない嫉妬とか主観的に物事を見てしまうことへの罪悪感
その中で,瀬田を好きという気持ちが強すぎて
芸術に自分の好き嫌いを踏まえて見てしまうこと,
でもどうしようもなく狂気的に好きなこと,
自分の気持ちに折り合いをつけて行くことの難しさは非常に共感できた。

夏目にも塚本にも言えることだが,
自分が好きな人に圧倒的に惹かれながらも
相手には他に好きな人がいる。
しかし拒絶されるわけでもない,そこに辛さがある。

というのが,私がわからないのかもwww


すごく個人的にモヤモヤするし,うまくまとまらない
(それこそできることなら絵を描いて表現したいぐらいww)
なので,これで終わり!!笑

書評
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